はじめに(重要)
今回紹介する本、私、読みきることができていません。多分、当分読みきるのは難しいと思います。そんな感じの難易度でした。
ってことで、ここまでの段階で述べられる事実を述べておきます。
本書の構成と感想
まず、量子コンピュータ関連について初学者が学ぶのは恐らく無理です。少なくとも、私は他の基本的な部分に少し戻りながらでないと無理です…。
読み始めの難易度
ここでは私が今回紹介する本を読み切っていないということで、「読みきった立場から、どんな知識が必要かを理解した上で書評しているわけではない」という点にご注意ください。
まず、「線形代数のことが分かりません」って人には暗号が書かれているようにしか見えません。また、「線形代数の行列計算ができれば良い」っていう感じではなく、「線形空間とはなんぞや」くらいのことは分かっていなければならないでしょう。
それくらいなら大丈夫ということであれば、
「第1章 はじめに」
「第2章 古典計算:ベクトルと演算子による表現」
「第3章 量子計算(基礎)」
ただし、量子コンピュータや量子論自体がよく分からん人にとって、第3章での量子計算とそれに対する解釈は極めて難解です。これはまあ、あまり深く突っ込まない方が良いでしょう(本書でもほとんど突っ込んでいません)。
量子計算とはそういうものだということを認めさえすれば、ここまでは読みきることができます。
量子計算の中身に踏み込んでいく難易度
「第4章 量子計算(発展)」
あたりから厳しくなってくる印象でした。というのも結構話が飛躍して、天下り的に量子計算の割とゴツい数式がボンっと出てきます。
恐らく、量子コンピュータの話に慣れている人であれば、「ああこれか」と感じられる程度の話なのでしょうが、線形代数が分かっていたとしても、量子コンピュータ初学者にはキツいと思われます。
ただ、この章は今後の章の基本になる部分ですので、ところどころ演習問題が挟まれており、数式に慣れるような配慮がなされています。ちなみになぜか本書に解答が無いのですが、qiitaに本書の演習問題の解答が挙げられておりました。
『量子計算理論 量子コンピュータの原理』演習(第2章&第3章)
『量子計算理論 量子コンピュータの原理』演習(第4章4節)混合状態
そのお陰もあり、とりあえずここまでは(理解のほどはともかく)進めていくことができます。
「第5章 測定型量子計算」
ここらへん、私は全く無知な状態でした。従って、私はここで一旦歩みを止めております。
これは量子ゲート方式と実際は等価なものなのですが、この考え方で得られる様々な素晴らしい発想があるとか…。多分ここを読み飛ばしてしまうと、この本の価値が半減してしまうような雰囲気がしました。というのも後々の章に、この測定型量子計算の考え方が用いられるからです。
ダメだ…オワタ…。
数式に抵抗が無ければすんなり入れそうな気がするのですが、そもそも(汎用)量子コンピュータそれ自体を学ぶのが初めてであった私にとって、「なるほど、上手いユニタリ変換ひたすら繋いでるんか!」って必死に学んだあとで、全く違うパラダイムが現れたのは心を折るのに十分でした…。出直します。
こういうときは無理に読まず。一旦閉まっておくのが私の定石です。他のこと勉強したりして時を過ごし、戻ってきた時には「あれ?こんな簡単だったっけ?」と不思議と理解できる事が多々あるので。
「第6章 計算量理論の基礎」
量子コンピュータの有意性は結局、計算量云々の話になる(とされている、信じられている)ので、その基礎をここで抑えます。また、量子コンピュータでしか現れない計算量のクラスも登場します。定義の話なので、読めば「ほーん」って感じです。
ここは面白そうな部分でもあるのでいつかまとめるかもしれません。
量子計算の最先端の話題
完全に専門の話。もう読んですら無い…。
「第7章 状態の検証」
「第8章 量子対話型証明系」
「第9章 超量子計算」
「第10章 非ユニバーサル量子計算」
これを読む前に読んどくと良さそうな本
とりあえず、もっと初歩から学べそうな本をメモ代わりに載せておきます。
また、他になにかご存知でしたら教えてください。

今度こそわかる量子コンピューター (今度こそわかるシリーズ)
- 作者: 西野友年
- 出版社/メーカー: 講談社
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